失業保険の手続きと受け取りまでの流れ【2026年版】
失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きは、会社から届く離職票を持って、住所を管轄するハローワークで求職の申込みをするところから始まります。受給資格が決まると7日間の待期があり、そのあとは原則4週間に1回の失業認定日に認定を受けた日数分が、認定日からおよそ1週間後に口座へ振り込まれます。正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、待期のあとにさらに原則1か月の給付制限があります。受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。
全体の流れ
| 順番 | 手続き | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 離職票を受け取る | 会社の届出期限は離職日の翌々日から10日以内 |
| 2 | 求職の申込みと受給資格の決定 | 離職票が届いたら速やかに |
| 3 | 待期(7日間) | 受給資格決定日から、失業の状態が通算7日 |
| 4 | 雇用保険説明会 | ハローワークが指定する日 |
| 5 | 給付制限(自己都合の場合) | 待期満了の翌日から原則1か月 |
| 6 | 失業の認定 | 原則4週間に1回 |
| 7 | 振込 | 認定日から約7日後 |
1. 離職票を受け取る
離職票は「離職票-1」と「離職票-2」の2枚です。退職すると、会社がハローワークに資格喪失届を出し、ハローワークが発行した離職票が会社経由で届きます。会社の届出期限は、離職日の翌々日から10日以内です。会社が「離職票交付なし」で届け出ると離職票は発行されないため、失業保険を受けるつもりなら、離職票が必要なことを退職前に会社へ伝えておきます。
この期間を過ぎても届かないときは、まず会社に処理状況を確認します。会社が手続きをしない場合や、催促しても届かない場合は、本人確認書類と退職証明書など退職がわかる書類を持って、住所を管轄するハローワークに相談してください。離職票がないまま受給資格の「仮決定」ができる場合もあります(兵庫労働局の案内では、原則として離職日の翌日から12日目以降)。扱いは管轄のハローワークで確認してください。
マイナポータルで受け取る方法(2025年1月20日から)
2025年1月20日から、希望すればマイナポータルで離職票を受け取れるようになりました。条件は次の3つです。
- マイナンバーがハローワークに登録されていること
- 自分のマイナポータルで「雇用保険WEBサービス」との連携設定を、離職前までに済ませていること
- 会社が電子申請で離職の手続きをすること
会社が紙で届け出た場合は、従来どおり会社から届きます。受け取ったPDFはスマートフォンの画面で窓口に見せれば印刷は不要とされていますが、印刷して持参すると手続きがスムーズです。
離職理由を確認する
離職票-2の離職理由は、給付制限の有無や給付日数に関わります。実際は退職勧奨だったのに自己都合と書かれているなど、事実と違う場合は、受給手続きのときにハローワークへ申し出てください。証明できる書類があれば持参します。記載欄の読み方は離職票の見方で整理しています。
2. ハローワークで求職の申込みと受給資格の決定
住所を管轄するハローワークで求職の申込みをし、離職票を提出します。受付は月曜〜金曜(祝日・年末年始を除く)の8時30分〜17時15分です。求職の申込みにも時間がかかるため、16時前の来所が勧められています。ハローワークインターネットサービスで求職情報を事前に登録しておくと、窓口での登録時間を短縮できます。
持ち物
| 書類 | 補足 |
|---|---|
| 離職票-1、離職票-2 | 複数ある場合は、短期間の勤務分もすべて |
| マイナンバーカード | ない場合は、個人番号確認書類(通知カードまたは個人番号入りの住民票)と、身元確認書類(運転免許証など1種類。なければ公的医療保険の資格確認書など異なる2種類。コピー不可) |
| 写真2枚 | 縦3.0cm×横2.4cm。マイナンバーカードを提示して手続きする場合は省略できる |
| 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード | 一部指定できない金融機関がある |
障害者手帳などをお持ちの方は、就職困難者として給付日数が手厚くなる場合があるため、あわせて持参してください。
受給資格の条件
受給資格の決定では、次の2点を確認します。
- 就職する意思と能力があり、求職活動をしているのに就職できない「失業の状態」であること
- 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること(倒産・解雇などの特定受給資格者と、雇止めなどの特定理由離職者は、離職日以前1年間に6か月以上でも可)
被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切り、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と数えます(そうした月が12か月に満たない場合は、基礎となった時間が80時間以上の月も数えます)。病気やけが、妊娠・出産・育児などですぐに働けない場合は、受給資格の決定ではなく、後で説明する受給期間の延長を申請します。
マイナンバーカードで手続きする方法
希望すればマイナンバーカードで本人認証をする方法も選べます(2022年10月1日以降に受給資格決定を受ける方)。写真が不要になり、受給資格者証の代わりに「雇用保険受給資格通知」が交付されます。認定日にはカードを持参し、窓口のタブレットで4桁の暗証番号を入力します(最新の受給資格通知を出せば入力は省略可)。一度選ぶと、原則として受給資格者証での手続きには戻せません。
3. 待期(7日間)
受給資格決定日から、失業の状態が通算7日になるまでを「待期」といいます。この間は、離職理由にかかわらず支給されません。通算で数えるため、アルバイトなどで働いた日は7日に含まれません。
4. 雇用保険説明会
受給資格の決定後に、説明会の日時が知らされます。指定の日時に必ず出席します。説明会では、受給資格者証(マイナンバーカードで手続きする方は受給資格通知)と失業認定申告書が渡され、1回目の失業認定日が知らされます。説明会が待期満了後になる場合もあります。
5. 給付制限(自己都合で辞めた場合)
正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、待期満了の翌日からさらに一定期間、基本手当が支給されません。
| 離職の状況 | 給付制限 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降の自己都合離職 | 原則1か月 |
| 2025年3月31日以前の自己都合離職 | 原則2か月 |
| 離職日から遡って5年間に、正当な理由のない自己都合離職で2回以上受給資格決定を受けている | 3か月 |
| 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇) | 3か月 |
| 倒産・解雇、定年、契約期間満了など | なし |
2025年4月1日以降に受講を始めた教育訓練等を、離職前1年以内に受けた方や離職後に受けている方は、給付制限が解除されます。条件は給付制限の解説で説明しています。
6. 失業の認定(原則4週間に1回)
指定された認定日に管轄のハローワークへ行き、失業認定申告書に求職活動や就労の状況を書いて、受給資格者証と一緒に提出します。認定されるのは、前回の認定日から今回の認定日の前日までのうち、失業していた日です。
求職活動実績の回数
| 認定の対象期間 | 必要な実績(原則) |
|---|---|
| 通常(前回の認定日から今回の認定日の前日まで) | 2回以上 |
| 最初の認定日まで | 1回以上 |
| 給付制限が3か月の場合(待期満了後から、給付制限後の最初の認定日の前日まで) | 3回以上 |
給付制限が1か月の場合の数え方は、資料によって書き方が異なります。例えば神奈川のハローワークの案内(2025年8月版)では、「給付制限の初日から次の認定日の前日までに2回以上」としています。説明会で受け取る資料で、自分の期間に必要な回数を確認してください。
実績になるのは、求人への応募、ハローワークや許可・届出のある民間の職業紹介事業者での職業相談・紹介、就職支援セミナーの受講、個別相談ができる企業説明会への参加、再就職に役立つ国家試験・検定の受験などです。求人情報を見ただけ、紹介会社に登録しただけ、知人に紹介を頼んだだけでは実績になりません。
アルバイトやパートをした日は、収入の有無にかかわらず申告書に書きます。申告しないと不正受給となり、以後の支給が止まるうえ、不正に受け取った額の3倍の納付を命じられる場合があります。
認定日に行けないとき
就職、採用面接、資格試験の受験、14日以内の病気やけが、本人の結婚など、やむを得ない理由がある場合は、事前に申し出れば認定日を変更できることがあります。証明書類が必要です。理由なく行かなかった場合は、その認定日までの期間について支給を受けられません。
おおむね小学3年生までの子を育児中の方、障害や難病のある方、長期療養中の方、親族を介護している方、ハローワークまでの往復におおむね4時間以上かかる方を対象に、自宅からオンラインで失業認定を受けられる仕組みもあります(2025年1月27日以降に受給資格決定を受けた方のうち希望者で、システムを適切に操作できることが条件)。対象になるかは管轄のハローワークに確認してください。
7. 振込
認定を受けた日数分の基本手当が、指定した口座に振り込まれます。厚生労働省のQ&Aでは認定日の約7日後、ハローワークインターネットサービスでは通常5営業日としています。休日や年末年始をはさむと遅れることがあり、個別の振込日の問い合わせには答えてもらえません。
このあとは、所定給付日数を上限に「認定」と「振込」を繰り返します。
例:会社都合と自己都合で最初の振込はどれだけ違うか
9月30日に退職し、10月14日(水)に求職の申込みをした場合の目安です。認定日は受給資格決定日から4週間ごとと仮定しています。実際の認定日はハローワークが指定します。
| 会社都合など(給付制限なし) | 自己都合(2025年4月以降の離職、給付制限1か月) | |
|---|---|---|
| 待期 | 10月14日〜10月20日 | 10月14日〜10月20日 |
| 給付制限 | なし | 10月21日〜11月20日 |
| 支給対象になる日 | 10月21日から | 11月21日から |
| 1回目の認定日(11月11日) | 10月21日〜11月10日の21日分 | 支給なし |
| 2回目の認定日(12月9日) | 11月11日〜12月8日の28日分 | 11月21日〜12月8日の18日分 |
| 最初の振込の目安 | 11月18日ごろ | 12月16日ごろ |
自分の場合の日付と金額は、失業保険の計算に離職日と求職の申込み日を入れると、認定日ごとの見込みまで確認できます。
受け取れるのは原則1年間
基本手当を受け取れる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年間です。所定給付日数が330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日です。この期間を過ぎると、給付日数が残っていても支給されません。給付制限がある場合は、給付制限の期間に21日と所定給付日数を足した日数が1年を超えると、超えた分だけ受給期間が延びる決まりがあります(雇用保険法33条3項)。ただし、手続きそのものが遅れると日数を使い切れないことがあるため、離職票が届いたら早めに手続きしてください。
すぐに働けない場合は受給期間の延長
病気やけが、妊娠・出産・育児(3歳未満)、親族の介護などで30日以上続けて働けない場合は、働けない日数分だけ受給期間を延長できます(最長3年)。申請は働けない状態が30日を過ぎたら早めに行うのが原則で、遅れると給付日数を全部受け取れないことがあります。60歳以上の定年退職などでしばらく休養したい場合は、離職日の翌日から2か月以内に申請すると、最長1年延長できます。
手続きの前後に確認したいこと
- 65歳未満で特別支給の老齢厚生年金などを受け取っている方は、求職の申込みをした月の翌月から、受給期間が過ぎるか所定給付日数を受け終わった月まで、年金が全額止まります。詳しくは年金事務所で確認してください。
- 就職が決まったら、就職日が次の認定日より前なら、原則として就職日の前日にハローワークへ行き、就職先に書いてもらった採用証明書を添えて申告します(採用証明書は後日の郵送などでも出せます)。給付日数を3分の1以上残していれば、再就職手当の対象になる場合があります。金額は再就職手当の計算で試算できます。給付制限を受けた方は、待期満了後1か月間はハローワークなどの紹介による就職でないと対象になりません。
離職理由の判定、給付制限の有無、認定日の指定は、管轄のハローワークが個別に決めます。この記事と計算結果は目安として使い、判断に迷う点はハローワークで確認してください。
記事は一般的な制度の説明です。個別の受給可否や金額は、ハローワークなどの窓口で確認してください。